智子先生のもとでホームバースが経験できたことは私の人生において大きな大きなギフトであり、今世、女性として生まれることが出来た喜びと母としての誇りへ繋がるものでした。『お産は日々の暮らし、営みの一部なのよ』『おまかせ♪は幸せから遠ざかるの』『起こった出来事に対してどのような意味付けをするのかはあなたの自由なのよ』…etc。智子先生からいただいたメッセージには背中を押してくださる力強さと大きな愛があります。智子先生に導いていただき『お産』ととことん向き合った十月十日は、家族が一丸となり愛と絆を深めた一生忘れられない宝物です。
私の元へ生まれてきてくれた3人の娘にも『お産』を語り継いでいきたいと思います。
陣痛が切羽詰まった妻を抱きかかえて秋月の養生処にたどり着いたとき、「頑張って無事に着いたねえ」と温かい笑顔で智子先生は迎えてくれました。すぐに生まれた赤ん坊。膝立ち姿勢でいきむ妻を私が前から抱き支えるようなかたちでしたが、ポロリンと出てきたときの唖然とした顔を智子先生も見ておられたようで、後でびっくりしていたよって教えて下さいました。そんな私も、もともと出産は病院でするもの、とぼんやり考えていましたが、初めて妻と一緒に養生処で智子先生とお話をさせていただいて、赤ちゃんは自分で生まれて出てくる力を持っていること、そして、体をしっかり作っていくことでより健康で安全な出産に近づくこと、女性は命がけで出産に臨むのだからパートナーも幸せな出産を応援できるよう一緒に学ぶこと、などのお話をうかがって、その温かみのある一つ一つの言葉の重さに、妻の選択を全面的に応援していこうと心に決めました。
当時、行政保健師として従事していたにも関わらず、太陽のリズムでさえ忘れかけるような余裕のない生活を送っていた私が、春日助産院をお産の場所として選択したことは、人生の大きな転換期となりました。自然なお産を経験したことにより、『自然』のキーワードが、今も私の生活の一部であること。そして、妊娠期、出産を通し、自分と向き合うことで、自身への信頼と子ども(胎児)との信頼関係を強めていきました。私の世界観は一変し、人はこんなにも変われるのだと、自分でも驚くほどです。だから、子育て、人生においても何があってもどうにかなる!と想える私がいます。ヒトは動物であり、自然界の一部であると感じ、知ったお産。子どもを身籠もり産み出す力は、女性に備わった機能。産まれてくる力は、ヒトに備わった機能。神秘的な行為だと体感出来た『お産』は人生の宝物です。
高齢の初産だったので、近所のクリニックでは大病院での出産を勧められましたが、信友さんのサポートを受け、幸せな、楽しいお産をすることができました。その経験は、その後の子育てにも繋がっていると思っています。